身長に大きく影響するパーツは背骨です。横から見ると滑らかなS字に湾曲しているはずの背骨ですが、昨今の日本人は座りっぱなしやパソコン・スマホなどの長時間使用で肩関節が前に入り込んでしまったりしてお腹が落ちくぼんだ猫背が増えており、その影響は成長期の子供にも同様に表れています。
では、単純に背筋を伸ばせば身長を伸ばすことができるのか、というと、そんなに単純ではないのです。一瞬背筋を伸ばしても、それが継続しないことには『身長』には反映しません。
では、その伸びた背筋を維持していくために必要で効果的な方法としてストレッチを考えてみましょう。
まず、人間の骨盤と肋骨の間にある骨は脊椎のみなのです。その脊椎を取り巻くように、編み込むように腹筋と背筋がとりついて内臓の位置をキープし、重たい上半身を支えているのです。
よって、ピラティスと呼ばれる筋トレのメソッドにあるように、後ろ側の背筋と、前側の腹筋をバランスよく伸展(伸ばし広げること)・屈曲(曲げて縮めること)をゆっくりと繰り返すのが効果的です。
一般的に知られている腹筋や背筋の運動も、勢いや反動を使わずに1回を10秒以上かけてじっくり呼吸に合わせてやってみるとよいでしょう。仰向けになって鼻で息を吸いながら上半身を持ち上げていき、口で吐きながらゆっくり戻していく、という動作や、左右にツイストしていく腹筋運動(横にある腹直筋を伸ばすストレッチ)を同様に呼吸に合わせて行うのが良いでしょう。
また、固まりがちな骨盤を回したり、伸びをしたり、座りながら出来る動作でも、体の軸を意識しながら伸ばしたりひねったり、そこに呼吸を組み合わせていくと、信号待ちで立っているだけでも背骨の周りの筋肉を鍛えることが可能になってきます。
そのように、じわじわと筋肉を使うと、体の内側にある深層筋に効果があり、それらが適度にほぐされて鍛えられると、まず立ち姿が変わってきます。踵、膝がびたりと付き、膝が伸び、腿の内側の内転筋が引き締まって、左右に広がったり、前後にねじれてしまった骨盤が内側に整ってきて、重力に負けて下がり気味になる内臓が正しい位置へと戻ってきます。
その結果、ぽこんと出でしまいやすいお腹がスッキリとへこみ、その分が上へ上へと押し上げられます。そして背骨のカーブから頸椎がすっと伸びてきて、腰痛・肩こり・頭痛などまでも軽減され、自然に顎が引かれて美しい立ち姿が出来上がります。
そのころには間違いなく身長が伸びているのです。せっかくの持って生まれた骨格を活かすのは筋肉であり、それを美しく整えて身長を維持していくには意思をもって継続するストレッチがとても大切なのです。
参考
youtubeで見つけました!