身体つきは遺伝子の影響が大きいということはよく聞きますので、中肉中背の私たち夫婦の間に生まれた子は、やはり中肉中背に育つのだろうと思っていたのですが、幼稚園のころはとても小さい子でしたので、どうなるのか心配していました。
考えてみれば、出産は帝王切開でしたが、それほど重い体重でなかったのは、母親のお腹の中にいたときに、様々なことから順調に育っていたとは言い難い点があったので、それが影響していたと思います。
小学生となって校庭などでは、背の高さ順に並ぶのですが、半分より前で全体の3分の1くらいのところに立っていました。
彼は背が高くないことがコンプレックスになっているようで、何かがあると背伸びする仕草が癖になっているくらいでした。
どこで聞いてきたのでしょうか、母親に身長をもっと伸ばすことにしたいので、明日から牛乳をたくさん飲んで、煮干しも食べるといい、お願いしますと頼んでいたのが、小学校の5年生だったと記憶しています。
宣言通り、牛乳は1リットルは毎日飲みましたし、煮干しもかなりの量を食べていました。そのころからですが、ご飯もお代わりをし、野菜も食し、好物の納豆はいくつもあるだけ食べ、みそ汁も2杯はいただくという状態になりました。
ただ、昔から苦手だと言っていた肉は避けることが多く、これだけはなかなか克服できませんでした。
それからです。
やはり、肉が持っている滋養成分は身体の成長に欠かすことはできないと考え、思い切ってビーフステーキの一流店に連れて行ったのです。
牛肉の質とソースが彼の舌にマッチしたのでしょう。
「うまい、うまい」と頬張り、結局240グラムの肉を平らげました。
それがきっかけで、豚肉も鶏肉も喜んで食べるようになりました。
中学生の入学式では、後ろから3番目の背の高さとなり、本人も私たちも喜び、今は彼の子供たちが、お父さんのようになりたいと尊敬のまなざしで見ているくらいです。
食事が中心の経験談となりましたが、彼は食欲を旺盛にするため、運動も良くしていました。
バスケットボールやサッカーには夢中になっており、そのことが骨格を育てることにも影響していたと思います。
また、よく寝るようにもなりました。
寝る子は育つと言いますが、まさにことわざ通りと言えます。
振り返ってみれば、健康な生活という意味での、快食、快眠、快便、適度な運動という4要素がうまく回転した結果だと思っています。
それ以来、背が低いと悩んでいる親子さんには、この経験談をお話ししています。